ニュージーランドではまった鹿肉の味

5年ほど前に、海外旅行でニュージーランドを訪れたときに、初めて鹿の肉をいただきました。

ヴェニスンという名前でメニューに書いてあって、それが何かわからなかった私は怖いもの見たさというか好奇心にかられて、ウェイターさんに質問することもなく(英語に自信がなかったからですが)オーダーしてみました。

出てきたのは赤身の肉のステーキで、赤いフルーツのソースがかかっていました。私は、その見た目から何か特別な牛か羊の肉だろうかと思いながら、食べてみました。

口に入れてすぐに独特の風味が広がります。これは完全に牛肉とは違う。私はマトンが好きなのでよく食べるのですが、それともだいぶ違った風味で、もっと野趣あふれるといった感じの味です。

上手に調理されていて、まわりは焦げ目がつくほどに焼いてあっても中はほんのりピンクで、霜降りほどやわらかくはありませんが肉汁がしっかり閉じ込められていて噛むとじゅわっとあふれ出すというすばらしい焼き加減。

そして日本人には馴染みにくいフルーツのソース(たしかプラムソースとメニューに書いてあったと思います)の味も野性味あふれる肉の臭みを中和する見事なコンビネーションでした。まったくシェフの力量に脱帽です (≧∀≦ゞ

あとでそのヴェニスンが鹿肉だと知ったのはホテルに戻ってからで、ネット検索で調べました。

鹿の肉ですから、おそらく野生のものだったのではないかと思います。あの肉の感じは歯触りがとくに独特で牛のようにわりとじっとしているタイプの動物のものではなく、野山を駆け巡る動物のこなれた筋肉といった感じで、脂肪分が少なく、やわらかくはないけれどしなやかな歯触りはほかの肉ではなかなか得られない食感です。

野山を駆ける鹿の姿が目に浮かび、すばらしい命をいただいたなあと、なんだか自分まで元気になった気がしました。日本で鹿肉はなかなかお目にかからないですが提供してくれるお店もあります。

日本でいただくものはニュージーランドで食べたものよりも癖がないような気がします。でも食感としては同じ、しなやかな歯触りを持つ肉の味わいで、今でも時々はお店に食べに行ってそのたびに元気をもらって帰ってきます。